誰でも強くなれる空手
| ―禅道会の考え方の特徴として、理論面を重視するという点がありますよね。 人間の骨格であるとか、筋力などを研究して、それを説明していくという・・。 「はい。ウチはどうしても長野の田舎ですから、入門してくる子はいじめられっ子が多いんです。 そういう子らに、やたら根性だ、とかいって指導してもダメなんですね。 やはりきちんと説明をして、本人に納得をさせてから練習しないと強くならない。 ウチの場合、新しく入って来る子の定着率って8割くらいあるんですよ。 やはり皆そういった、理論的な説明を受けて納得してるからそれだけ残るんでしょうね。」 ―試合ルールは総合でも、名称は空手道禅道会なんですね。 「やはり稽古体系が空手を軸にやってますから、根幹は空手なんです。 ただ、試合においては選手が自分の得意な技で勝負したらいいわけですから、それが面白いし、 競技として幅が広がる部分です」 ―現在禅道会の支部はどのくらいなんですか 。 「本部が長野なんで、中部地方を中心に70ヵ所くらいですね」 ―今後はどういった展開を考えられていますか。 「あくまで生涯教育としての武道を追求して行きたいです。 一説には日本の引きこもり人口が100万人とも言われる中で、そういう子らが抵抗無く入ってこれる環境、 雰囲気を作って行きたいです。 そして、いろんな人たちが集まってくる中で、将来的にプロになる選手も出てくるかもしれない。 そういう形が理想ですね。 ウチの場合、組織としてプロ活動を行っているわけではなく、あくまで出たいという選手には許可しているというスタイルです。しかし、目標の高い所へアプローチするのはいいことだと思いますので基本的には容認する形です。 やはりアマチュアあってのプロだと思いますので、もっとアマチュアを充実させていく必要があると思います。 そして、それが青少年の健全育成につながっていけば嬉しいです」 ―現今後も革新的なことをやられていく感じですか。 「それも必要でしょうが、武道のもっと基本的な部分を追求していく必要もあると思います。 意外と基本がおろそかにされてしまいがちなので、もっと基本をがっちり固める必要がある。 そのうえで、選手が試合に出たいといった部分は幅広く対応するようにしていきたいです。 選手は団体の駒ではありませんから選手が出たいといっているのに、団体側が止めるというのはおかしいですよね。 その大会が青少年健全育成の主旨に明らかに反するのなら別ですが、出たいのなら出すべきでしょう。 もちろん、誰でも強くなれる稽古体系というものも、もっと研究していく必要もあるでしょうし、 指導員もきちんと教えられる人間であるという当たり前のことですね、そういった点がクリアされての話ですけれど。 例えば総合格闘技といっても、ある人は別の道場にキックを習いに行ったり、 また別の人はレスリングを習いに行ったり、さらにウェイトジムに通ったりとかしているケースも多いと思うんです。 でも、総合格闘技をそこの道場で教えることができないのなら、その看板は無意味ですよね。 そういう当たり前のことをクリアしていきたいです」 ―現在、禅道会の会員はどのくらいいるんですか。 「約4千人ですね。そのうち、大人と子供が半々くらいです。大人は20代がメインですが、 時代を反映してか、30代、40代で入門される方も多いです。 あと、ウチは他の団体に比べて、女子が多いと思いますね」 ―女子が多いというのは自然と増えていったわけですか。 「どうしても他の道場の場合、女子が入って来ても、マネージャー的な役割を背負わされることが多いと思うんです。 ただウチの場合、子供達が壊れかけているのは、母親の精神力が弱くなっているんではないか、 という思いがあって、母親として鍛えるのに、武道がいいのではないかという考えから、 普及を進めてきた部分もありますので、結果的に女子が増えたのではないかと思ってます」 ―30代や40代といった人たちはどういう人が多いんでしょう。 「やはりこういう時代ですから、様々な事情で人生に行き詰まってしまった人たちも多いんです。 そういう人たちが、何かを求めて入門してくる。そして、武道を学ぶうちに試合に出たくなる、 そういうケースが多いですね」 ―ただ試合に出ても勝てるとは限らないですよね。 「もちろん、強くなるということは個人差もありますから、難しい面はあります。 実際、試合に何回か負けると嫌になるのが当たり前です。 しかし、それで全てを終わりにしてしまうのではなくて、ここが悪いんだよ、ということが大事なことなんです。 負けたから終わりでは無いんです。負けたのには必ず理由がある。 それを教えてあげないといけない。そうすることで、飛躍的に強くなるケースも実際ありましたからね。 私どもの経験で言わせてもらえば、逆に、友人などが『あんな奴でも強くなれますか』と聞いて くるくらいのほうが、黒帯まで取って頑張る場合が多いですね」 ―これからも同様のルールで試合を続けていく形ですか。 「大会に関しては、今は長野を中心に開催していますが、これからは東京でも開催していく方向にしていきたいです。 それと、総合の試合でも、もっと普通の人が参加しやすい環境を作っていくことが必要だと思っています。 現在も、ルールは細分化しているんですが、どうしても総合というと、 初心者には参加しづらいイメージがあるみたいなんですね。 ですから、本当に初心者でも無理無く参加できるようなルールで行える大会を開催して行きたいです」 |
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